護国三部経
護国三部経(ごこくさんぶきょう)とは『法華経』『仁王経』『金光明経』の三つの仏典である。「鎮護国家三部経」「鎮護国家の三部」とも。その呼び名の通り、国家の安泰を願って用いられた。この三部経の括りを定めたのは最澄だという。
『溪嵐拾葉集』では真言密教における三つの「経王」(『大日経』『金剛頂経』『蘇悉地経』)と護国三部経(こちらは「鎮護国家経王」と呼ばれる)を対応させる説が引用されている。それによると『大日経』には『法華経』、『金剛頂経』には『仁王経』、『蘇悉地経』には『最勝王経』(義浄訳の『金光明経』)が対応する。顕教のものである『法華経』、『仁王経』、『最勝王経』はそれぞれが対応する密教経典の「浅略」であるという。
円仁は大日経、金剛頂経、蘇悉地経を「鎮護国家の三部」と位置づけた。日蓮は『曽谷入道殿御書』において、この説を最澄以来の鎮護国家を破壊するものとして否定し、これによって比叡山に邪義が生まれ、その邪義が鎌倉に侵入し、やがては日本を滅ぼすとした。
参考文献
関連項目
| |||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
パーリ語仏典 (前4世紀 - 前1世紀) |
| ||||||||||||||||||||||||||||
大衆部(前3世紀) | |||||||||||||||||||||||||||||
説一切有部(前2世紀) | |||||||||||||||||||||||||||||
化地部 | |||||||||||||||||||||||||||||
法蔵部 | |||||||||||||||||||||||||||||
経量部(3世紀) | 成実論(4世紀) | ||||||||||||||||||||||||||||
分別説部(南伝仏教) | 清浄道論(5世紀)・アビダンマッタサンガハ(11世紀) | ||||||||||||||||||||||||||||
大乗仏教・初期 |
| ||||||||||||||||||||||||||||
大乗仏教・中期 |
| ||||||||||||||||||||||||||||
密教(金剛乗) (大乗仏教・後期) |
| ||||||||||||||||||||||||||||
パーリ語 | |||||||||||||||||||||||||||||
サンスクリット語 | |||||||||||||||||||||||||||||
漢語 | |||||||||||||||||||||||||||||
チベット語 | |||||||||||||||||||||||||||||
日本語 |
| ||||||||||||||||||||||||||||
宗教 ウィキプロジェクト 仏教 ウィキポータル 仏教 |
| ||
---|---|---|
基本教義 | ||
人物 | ||
世界観 | ||
重要な概念 | ||
解脱への道 | ||
信仰対象 | ||
分類/宗派 |
| |
地域別仏教 | ||
聖典 | ||
聖地 | ||
歴史 | ||
美術・音楽 | ||
|
- 表示
- 編集