糸女覚え書
糸女覚え書 | |
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作者 | 芥川龍之介 |
国 | ![]() |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 短編小説 |
発表形態 | 雑誌掲載 |
初出情報 | |
初出 | 『中央公論』1924年1月号 |
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『糸女覚え書』(いとじょおぼえがき)は、芥川龍之介が1924年(大正13年)に『中央公論』誌上に発表した歴史小説。「霜女覚書」を粉本として細川ガラシャの死の間際の姿を芥川の視点から描いた作品である。芥川がライフワークとして取り組んだ「切支丹物」シリーズの最後の作品である[1]。
あらすじ
魚屋清左衛門の娘である糸は三年にわたり玉造の秀林院(ガラシャ)に侍女として仕えているが、秀林院は「少しもお優しきところ無之」く、「賢女ぶらるることを第一となさ」るので「兎角気のつまるばかり」であった。そこに父が嫁入りのためにそろそろ暇をもらいたいと挨拶に来たため、糸は「天へも昇る心地」となる。
評価
主人公である糸の評の通り[2][注 1]、絶世の美女にして悲劇の殉教者とされるガラシャの偶像破壊を意図したという解釈が一般的であり、このため作品の評価としては総じて低いとされている[3]。
脚注
注釈
- ^ ガラシャの容姿についても「なれども秀林院様の御器量はさのみ御美麗と申すほどにても無之、殊におん鼻はちと高すぎ、雀斑も少々お有りなされ候。のみならずお年は三十八ゆゑ、如何に夜目遠目とは申せ、二十あまりにはお見えなさらず候」と評している。
出典
参考文献
外部リンク
- 『糸女覚え書』:新字旧仮名 - 青空文庫
- 勝倉壽一「「糸女覚え書」の構図」『国文学研究』、福島大学教育学部論集 人文科学部門、2001年6月、79-88頁。
芥川龍之介の作品 | ||
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その他 | 三つの宝(戯曲) - 侏儒の言葉(随筆) - 文芸的な、余りに文芸的な(評論) - 西方の人 - 続西方の人 - 八宝飯(随筆) | |
関連項目 | ||
関連カテゴリ | 芥川龍之介 - 小説 - 原作映画作品 |
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