志多見砂丘

志多見砂丘に分布するアカマツ林

志多見砂丘(しだみさきゅう[1])は、埼玉県加須市(加須地域・志多見地区)に所在する砂丘である。日本に残る河畔砂丘の中で最大級のもので[2]中川低地の河畔砂丘群の代表格。

概要

志多見砂丘は会の川砂丘の一部を形成し、約7千年前に赤城おろしによって運ばれたによって形作られた河畔砂丘(内陸砂丘)である。この付近では会の川流域及び古利根川(現:葛西用水路)流域に砂丘の分布がみられる。志多見砂丘は会の川の自然堤防に合わせおおよそ東西に発達している。会の川砂丘の中では志多見砂丘が最も規模の大きい砂丘となっており、長さ約2500m約300m・高さ約5m~10mを有していた。標高は所在地南側の水田が約15mなのに対し、砂丘は約20m程となっており、標高最高点は26.8mであった。志多見砂丘の断面勾配風上側(側)は緩やかとなっているが、風下側(側)は急斜面となっている。志多見砂丘は古くからの形状が保たれ、砂丘上には赤松林が所在しているがこれは砂丘上に形成される特異な植生であり、加須低地森林の発達した場所が少ないことなどから学術上貴重な場所となっている。このため、志多見砂丘は1956年昭和31年)9月24日に加須市指定名勝に指定され、1976年(昭和51年)3月30日に加須市志多見県自然環境保全地域に指定されている。[3][4] また、2014年3月11日に「中川低地の河畔砂丘群」として県指定文化財に指定された[5][6]

周辺

脚注・参考資料

脚注

  1. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』423頁。
  2. ^ 日本の河畔砂丘も参考。
  3. ^ 『加須市指定名勝 志多見砂丘(現地所在案内板、案内板所在地)』 加須市教育委員会 設置 昭和56年12月1日 設置
  4. ^ 『加須市志多見県自然環境保全地域(現地所在案内板、案内板所在地)』 埼玉県 設置 平成11年3月 設置
  5. ^ 「山間地域の民俗資料、河畔砂丘を加え県指定等文化財は700件に」 - 埼玉県ホームページ
  6. ^ 「合角ダム水没地域の民俗資料」・「中川低地の河畔砂丘群」が、新たに県指定文化財となりました(3月11日) - 埼玉県ホームページ

参考資料

  • 『加須市史 通史編(13ページ ~ 14ページ)』 加須市史編さん室 編集 埼玉県加須市 発行 昭和56年2月16日 発行
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日、423頁。ISBN 4040011104。 

関連項目

外部リンク

  • 「河畔砂丘」 - 埼玉県立川の博物館ホームページ
  • 「志多見砂丘」 - 加須市ホームページ
  • 「志多見砂丘の松林」 - 一般財団法人日本緑化センターホームページ
  • 「温泉・グルメ?加須の意外な名所巡り」 - ウェイバックマシン(2014年4月19日アーカイブ分) - 日本放送協会ホームページ
  • 「加須志多見の砂丘林」 - 埼玉交通情報ホームページ
  • 「会の川の周辺」 - ウェイバックマシン(2008年12月10日アーカイブ分) - (有)フカダソフト(きまぐれ旅写真館)
  • 『歴史的農業環境閲覧システム』 - 独立行政法人 農業環境技術研究所ホームページ
  • 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス
    • 所在地周辺(1946年4月15日撮影)
    • 所在地周辺(1947年10月26日撮影)
    • 所在地周辺(1949年1月9日撮影)
    • 所在地周辺西部(1960年11月28日撮影)
    • 所在地周辺東部(1960年11月28日撮影)
    • 所在地周辺西部(1967年6月30日撮影)
    • 所在地周辺東部(1967年6月30日撮影)
    • 所在地周辺西部(1975年1月15日撮影)
    • 所在地周辺東部(1975年1月15日撮影)
    • 所在地周辺(1980年10月15日撮影)
    • 所在地周辺西部(1986年9月4日撮影)
    • 所在地周辺東部(1986年9月4日撮影)
    • 所在地周辺西部(1990年10月1日撮影)
    • 所在地周辺東部(1990年10月1日撮影)
    • 所在地周辺(1995年5月18日撮影)
    • 所在地周辺西部(2009年4月28日撮影)
    • 所在地周辺東部(2009年4月28日撮影)
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