井上真偽

井上 真偽いのうえ まぎ
誕生 日本の旗 神奈川県
職業 小説家
推理作家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 東京大学工学部卒業
活動期間 2015年 -
ジャンル 推理小説
主な受賞歴 メフィスト賞(2014年)
デビュー作恋と禁忌の述語論理』(2015年)
ウィキポータル 文学
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(いのうえ まぎ[1])は、日本小説家推理作家。年齢不明、性別も不明。東京大学工学部卒業[2]神奈川県出身[3]。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞する。

経歴・人物

2014年、『恋と禁忌の述語論理』で講談社が主催する第51回メフィスト賞を受賞する[4]。2015年、同作が講談社ノベルスより刊行され、小説家デビューを果たす[5]。デビュー作は、数理論理学を主軸に置いた作品であるが、あくまでも小説としての面白さを追求した、と語っている[5]。2016年、『その可能性はすでに考えた』が第16回本格ミステリ大賞の候補に選ばれる[6]。2017年、『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』が第17回本格ミステリ大賞の候補に選ばれる[7]。同年、『言の葉の子ら』が第70回日本推理作家協会賞〈短編部門〉の候補作に選ばれる[8]

講談社ノベルスで好きな作品として、京極夏彦姑獲鳥の夏』、森博嗣すべてがFになる』、西尾維新クビキリサイクル』を挙げている[5]。剣道部に所属していた中学生のときに、「黒板に掌編小説を書く」という遊びで書いたのが、初めて書いた小説だという[5]。当初は、マイクル・ムアコック「エルリック・サーガ」、ピアズ・アンソニイ魔法の国ザンス』などのファンタジー作品を読んでおり、翻訳ものが多かったため、妙に硬い文章を書いていたが、『クビキリサイクル』を読んだことがきっかけで、「日本語はもっと自由なんだ」ということに気づいたという[5]ミステリに目覚めてからは、島田荘司斜め屋敷の犯罪』や綾辻行人十角館の殺人』に大きな衝撃と影響を受けたという[5]


ミステリ・ランキング

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    • 2015年 - 『その可能性はすでに考えた』15位
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    • 2020年 - 『ベーシックインカム』18位
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    • 2024年 - 『アリアドネの声』6位
  • MRC大賞
    • 2023年 - 『アリアドネの声』7位
  • 黄金の本格ミステリー
    • 2016年 - 『その可能性はすでに考えた』選出
    • 2017年 - 『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』選出

作品リスト

〈その可能性はすでに考えた〉シリーズ

単発作品

  • 恋と禁忌の述語論理(2015年1月 講談社ノベルス ISBN 978-4-06-299038-7 / 2018年12月 講談社文庫 ISBN 978-4-06-513995-0)
    • レッスンI 「スターアニスと命題論理」
    • レッスンII 「クロスノットと述語論理」
    • レッスンIII 「トリプレッツと様相論理」
    • 進級試験 「恋と禁忌の……?」
  • 探偵が早すぎる(上 2017年5月 講談社タイガ ISBN 978-4-06-294071-9 / 下 2017年7月 講談社タイガ ISBN 978-4-06-294080-1)
    • 上巻
      • プロローグ
      • 第1話 ヘビースモーカー
      • 第2話 毒蜘蛛
      • 第3話 カボチャと魔女
      • 第3.5話 決戦前夜
    • 下巻
      • インタールード
      • 第4話 寺──焼香
      • 第5話 墓──納骨
      • 第6話 ホテル──会食
      • エピローグ
  • ベーシックインカム(2019年10月 集英社 ISBN 978-4-08-771679-5)
    • 【改題】ベーシックインカムの祈り(2022年10月 集英社文庫 ISBN 978-4-08-744445-2)
      • 言の葉の子ら(『小説すばる』2016年8月号)
      • 存在しないゼロ(『小説すばる』2017年5月号)
      • もう一度君に (『小説すばる』2017年10月号)[9]
      • 目に見えない愛情 (『小説すばる』2018年5月号)
      • ベーシックインカム(書き下ろし)[10]
  • ムシカ 鎮虫譜(2020年9月 実業之日本社 ISBN 978-4-408-53766-5 / 2023年10月 実業之日本社文庫 ISBN 978-4-408-53766-5)
  • アリアドネの声(2023年6月 幻冬舎 ISBN 978-4-344-04127-1)
  • ぎんなみ商店街の事件簿(Sister編 2023年9月 小学館 ISBN 978-4-09-386690-3 / Brother編 2023年9月 小学館 ISBN 978-4-09-386691-0)
    • Sister編
      • 第一話 だから都久音は嘘をつかない
      • 第二話 だから都久音は押し付けない
      • 第三話 だから都久音は心配しない
    • Brother編
      • 第一話 桜幽霊とシェパーズ・パイ
      • 第二話 宝石泥棒と幸福の王子
      • 第三話 親子喧嘩と注文の多い料理店

アンソロジー

「」内が収録されている井上真偽の作品

  • ザ・ベストミステリーズ2017 推理小説年鑑(2017年5月 講談社 ISBN 978-4-06-220579-5)「言の葉の子ら」
    • 【再編集・改題】ベスト6ミステリーズ2016(2020年4月 講談社文庫 ISBN 978-4-06-519394-5)
  • ベスト本格ミステリ 2017(2017年6月 講談社ノベルス ISBN 978-4-06-299098-1)「言の葉の子ら」
  • 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー(2017年10月 講談社タイガ ISBN 978-4-06-294094-8)「囚人館の惨劇」
  • 特選 THE どんでん返し(2019年4月 双葉文庫 ISBN 978-4-575-52210-5)「青い告白」
  • ザ・ベストミステリーズ2020 推理小説年鑑(2020年10月 講談社 ISBN 978-4-06-520009-4)「青い告白」
    • 【改題】2020 ザ・ベストミステリーズ(2023年4月 講談社文庫 ISBN 978-4-06-531468-5)
  • 超短編! 大どんでん返し(2021年2月 小学館文庫 ISBN 978-4-09-406883-2)「或るおとぎばなし」
  • Day to Day(2021年3月 講談社 ISBN 978-4-06-521842-6)「どうせあの人は覚えていない」
  • 数は無限の名探偵(2022年12月 朝日新聞出版 ISBN 978-4-02-332230-1)「引きこもり姉ちゃんのアルゴリズム推理」
  • ミステリー小説集 脱出(2024年5月 中央公論新社 ISBN 978-4-12-005785-4)「サマリア人の血潮」

著者名本未収録短編

  • 青い告白 (『小説推理』2019年2月号)
  • 白い初恋 (『小説推理』2024年2月号)

エッセイ

  • お取り寄せの血脈 (『文藝春秋』2016年1月号)
  • 特別料理 (『小説すばる』2016年1月号)
  • 迷宮解体新書 第94回 (インタビュー記事、『ミステリマガジン』2016年9月号)

対談

  • 新世代ミステリ作家探訪 旋風編(2023年11月 光文社

漫画化作品

  • 探偵が早すぎる(漫画:三月薫、全2巻 2018年8月 - 2019年4月 マガジンエッジKC)

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ 楽天ブックス:恋と禁忌の述語論理 - 井上真偽 - 4062990385:本
  2. ^ 『恋と禁忌の述語論理』 井上真偽 講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
  3. ^ 井上真偽|エルパカBOOKS
  4. ^ 恋と禁忌の述語論理 井上真偽 著 本・コミック|オンライン書店e-hon
  5. ^ a b c d e f 『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』井上真偽|講談社ノベルス|講談社BOOK倶楽部
  6. ^ 本格ミステリ作家クラブ
  7. ^ 本格ミステリ作家クラブ twitter
  8. ^ お知らせ|日本推理作家協会
  9. ^ 文庫化時に「もう一度、君と」に改題
  10. ^ 文庫化時に「ベーシックインカムの祈り」に改題
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