ビッグアーサー

ビッグアーサー
2016年高松宮記念
欧字表記 Big Arthur[1]
香港表記 大仁大勇[2]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2011年3月18日
死没 (存命)
登録日 2014年4月3日[3]
抹消日 2017年10月6日[4]
サクラバクシンオー
シヤボナ
母の父 Kingmambo
生国 日本の旗 日本北海道浦河町
生産者 バンブー牧場
馬主 中辻明
調教師 藤岡健一栗東
調教助手 犬山純也・仲田雅興
競走成績
生涯成績 15戦8勝
中央:14戦8勝
海外:1戦0勝
獲得賞金 2億9981万1000円
勝ち鞍
GI 高松宮記念 2016年
GII セントウルS 2016年
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ビッグアーサー(欧字名:Big Arthur2011年3月18日 - )は、日本の競走馬種牡馬[5]。主な勝ち鞍は2016年の高松宮記念、セントウルステークス

戦績

3歳(2014年) - 4歳(2015年)

新馬戦が終了した後の3歳4月の未勝利戦(福島芝1200m)でデビューし、レース経験馬相手に2馬身半差をつけ、初勝利を挙げる。しかし、その後は輸送中の怪我により長期休養に入ることになる[6]

10か月の長期休養明け、4歳2月にして2戦目を迎えた八代特別は人気に応え、2馬身半の快勝を収める。続く岡崎特別は中団から上がり、最速の脚を使って1着となり、無傷の3連勝を飾る。続く淀屋橋ステークスはレース中に落鉄しながらも[7]1.4倍の圧倒的人気に応えてクビ差差し切り4連勝とすると、さらに水無月ステークスは1.3倍の支持を集め、重賞勝ち馬2頭相手に勝利を収め、無傷の5連勝を達成する。

オープン入り初戦、初重賞挑戦となった北九州記念は中団から脚を伸ばすも、ベルカントを交わせず2着、6戦目にして初の黒星となる。次走はスプリンターズステークスを予定していたが、賞金順位は16位だったものの、賞金順位最下位のレッドオーヴァルにレーティングの上位5頭に優先出走権が与えられたため、除外となる[8]。仕切り直しの一戦となったオパールステークスは1.7倍の人気に応えて3馬身差の圧勝を収め、6勝目を手にした。次走の京阪杯は1.5倍と再び1倍台の人気を集めたが、前を行くサトノルパンをアタマ差で捕らえられず、2着に敗れる。続く阪神カップは生涯唯一の1400m戦でのレースとなったが、ロサギガンティアダンスディレクターの争いに1馬身半遅れた3着に敗れ、初めて連対を外した。

5歳(2016年) - 6歳(2017年)

5歳初戦、シルクロードステークスは主戦の藤岡康太が降板し、ミルコ・デムーロに乗り替わる。レースは中団から前に迫るが、前が止まらず5着に敗退し、3連敗となる。賞金面で出走できるかが分からず、出走できなければ休養も考えていたが出走が叶い[9]、初のGI挑戦となった高松宮記念でも1番人気に推され、鞍上は福永祐一に乗り替わる。レースはハイペースで好位につけると、直線先に抜け出したミッキーアイルとの叩き合いを3/4馬身前に出て1着、タイムは1分06秒7のコースレコードでのGI制覇となった。また、藤岡健一調教師にとっても初GI制覇となった[10]。その後は休養に入り、6か月ぶりの実戦となった秋初戦、セントウルステークスは先手を取るとそのまま逃げ切り、重賞2勝目を手にした[11]。短距離GI春秋制覇を狙ったスプリンターズステークスは1.8倍の圧倒的人気を集めた。レースは道中好位で運んでいたが、最内枠が仇となって直線では前が壁となり、抜け出せず初の二桁着順である12着となる惨敗に終わった[12]。次走は香港スプリントに挑戦するも福永が前週に落馬負傷したため、ライアン・ムーア鞍上で挑んだが、13頭立て10着と2戦連続惨敗に終わった[13][14]

6歳になり、始動戦に高松宮記念を予定していたが、左前脚の筋挫傷によって回避となる。夏は休養し、セントウルステークスでの復帰に向けて調整されていたが、今度は左前脚の蹄球部に痛みが出て、出走を見送ることになった[15]。10か月ぶり、直行で挑んだスプリンターズステークスはデビュー2戦目から13戦連続で続いていた1番人気記録が途絶え、8番人気での出走となる。レースは2,3番手から進めたが、直線で伸びず6着に終わった。その後、レースから5日後の10月6日付でJRAの競走馬登録を抹消し、アロースタッドで種牡馬となった[4][16]

  • 高松宮記念優勝レイ 左 仲田雅興・右 犬山純也助手
    高松宮記念優勝レイ
    左 仲田雅興・右 犬山純也助手
  • 高松宮記念優勝馬服
    高松宮記念優勝馬服
  • セントウルS
    セントウルS
  • スプリンターズS 前詰まりになり馬群に沈むビッグアーサー(矢印)
    スプリンターズS
    前詰まりになり馬群に沈むビッグアーサー(矢印)

競走成績

以下の競走成績は、netkeiba.com「ビッグアーサーの競走成績」に基づく[17]

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2014.04.13 福島 3歳未勝利 芝1200m(良) 16 8 16 008.30(4人) 01着 01:09.5(35.3) -0.4 藤岡康太 56kg (クラウンアイリス)
2015.02.28 小倉 八代特別 500万下 芝1200m(良) 18 8 17 004.60(1人) 01着 01:07.9(34.3) -0.4 藤岡康太 57kg (ヤマノハヤブサ)
0000.03.29 中京 岡崎特別 1000万下 芝1200m(稍) 18 7 14 002.10(1人) 01着 01:08.6(33.9) -0.3 藤岡康太 56kg ティーハーフ
0000.04.11 阪神 淀屋橋S 1600万下 芝1200m(稍) 12 6 8 001.40(1人) 01着 01:09.3(34.7) -0.0 浜中俊 57kg (エポワス)
0000.06.20 阪神 水無月S 1600万下 芝1200m(良) 13 5 7 001.30(1人) 01着 01:08.1(33.4) -0.0 藤岡康太 57kg (フォーエバーモア)
0000.08.23 小倉 北九州記念 GIII 芝1200m(良) 18 3 5 002.50(1人) 02着 01:07.5(33.4) -0.2 藤岡康太 55kg ベルカント
0000.10.11 京都 オパールS OP 芝1200m(良) 16 2 4 001.70(1人) 01着 01:06.7(33.2) -0.5 藤岡康太 57kg (マコトナワラタナ)
0000.11.29 京都 京阪杯 GIII 芝1200m(良) 15 3 4 001.50(1人) 02着 01:07.4(32.8) -0.0 藤岡康太 56kg サトノルパン
0000.12.26 阪神 阪神C GII 芝1400m(稍) 17 1 1 002.70(1人) 03着 01:21.6(34.6) -0.2 藤岡康太 57kg ロサギガンティア
2016.01.31 京都 シルクロードS GIII 芝1200m(稍) 16 8 16 002.10(1人) 05着 01:08.5(33.4) -0.6 M.デムーロ 57kg ダンスディレクター
0000.03.27 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(良) 18 2 4 003.90(1人) 01着 01:06.7(33.4) -0.1 福永祐一 57kg ミッキーアイル
0000.09.11 阪神 セントウルS GII 芝1200m(良) 13 1 1 002.10(1人) 01着 01:07.6(34.5) -0.2 福永祐一 58kg (ネロ)
0000.10.02 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 1 1 001.80(1人) 12着 01:08.0(34.2) -0.4 福永祐一 57kg レッドファルクス
0000.12.11 沙田 香港スプリント G1 芝1200m(良) 13 13 6 007.00(3人) 10着 01.09.47 -0.67 R.ムーア 57kg Aerovelocity
2017.10.01 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 5 10 016.10(8人) 06着 01:07.8(33.6) -0.2 福永祐一 57kg レッドファルクス

種牡馬成績

2018年からアロースタッドで種牡馬入り。初年度産駒は126頭が登録された。

2021年7月17日、福島第6Rでウインモナークが勝利し、産駒の初勝利を挙げた[18]

産駒成績が好調なことから、2023年からは種付け料が100万から50万アップの150万となった。2024年は300万になる予定。

主な産駒

グレード制重賞優勝馬

血統表

ビッグアーサー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 テスコボーイ系

サクラバクシンオー
1989 鹿毛 北海道早来町
父の父
サクラユタカオー
1982 栗毛 北海道静内町
*テスコボーイ
Tesco Boy
Princely Gift
Suncourt
アンジェリカ *ネヴァービート
スターハイネス
父の母
サクラハゴロモ
1984 鹿毛 北海道早来町
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
*クリアアンバー
Clear Amber
Ambiopoise
One Clear Call

*シヤボナ
2006 鹿毛 アメリカ
Kingmambo
1990 鹿毛 アメリカ
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
母の母
Relish
1999 鹿毛 アイルランド
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Reloy Liloy
Rescousse
母系(F-No.) (FN:10-e) [§ 2]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×5・4、Special 5・5(母内) [§ 3]
出典
  1. ^ [21]
  2. ^ [21]
  3. ^ [21]


半弟に2021年兵庫ジュニアグランプリ、2023年エルムステークスを優勝したセキフウ(父ヘニーヒューズ)がいる。

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. ^ “BIG ARTHUR (A601) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年12月1日閲覧。
  2. ^ “大仁大勇 (A601) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2016年12月1日閲覧。
  3. ^ “競走馬情報:ビッグアーサー - @Keiba”. @Keiba - 競馬サービスプロバイダ. 2022年3月12日閲覧。
  4. ^ a b “ビッグアーサー号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2017年10月5日). 2017年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月5日閲覧。
  5. ^ “競走成績:全競走成績|ビッグアーサー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月27日閲覧。
  6. ^ 『優駿』2016年5月号、65頁。 
  7. ^ “前走は落鉄のアクシデントがありながらも、ラストは上がり最速を記録してV。”. SANSPO.COM. 2021年10月16日閲覧。
  8. ^ “JRAが日本馬のレーティング順位を発表。ビッグアーサーが除外候補に/スプリンターズS | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年9月13日閲覧。
  9. ^ 『優駿』2016年5月号、64頁。 
  10. ^ “【高松宮記念】スプリント界に新星!ビッグアーサー驚異的レコードV - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2021年9月14日閲覧。
  11. ^ “【セントウルS】ビッグアーサー逃走V 春秋制覇へ視界良好”. 予想王TV@SANSPO.COM (2016年9月11日). 2021年9月14日閲覧。
  12. ^ “【スプリンターズS】ビッグアーサーまさか12着…福永「最低の騎乗」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年9月14日閲覧。
  13. ^ “【香港スプリント】ビッグアーサー ムーアと新コンビ”. 予想王TV@SANSPO.COM (2016年12月6日). 2021年9月14日閲覧。
  14. ^ “【香港スプリント】ビッグアーサーは10着、レッドファルクスは12着 - スポニチ Sponichi Annex ギャンブル”. スポニチ Sponichi Annex. 2021年9月14日閲覧。
  15. ^ “ビッグアーサーがセントウルS回避、スプリンターズS直行へ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年9月14日閲覧。
  16. ^ “16年高松宮記念優勝ビッグアーサーが引退、種牡馬入り”. サンスポZBAT!競馬 (2017年10月5日). 2021年9月14日閲覧。
  17. ^ “ビッグアーサーの戦績”. netkeiba.com. 2016年7月8日閲覧。
  18. ^ “ウインモナークV 新種牡馬ビッグアーサー産駒JRA初勝利/新馬戦|極ウマ・プレミアム”. p.nikkansports.com. 2021年9月14日閲覧。
  19. ^ “トウシンマカオ”. JBISサーチ. 2022年11月27日閲覧。
  20. ^ “ブトンドール|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年7月16日閲覧。
  21. ^ a b c “血統情報:5代血統表|ビッグアーサー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2016年7月8日閲覧。

外部リンク

日本の旗 高松宮記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1971年) シュンサクオー
02回(1972年) ジョセツ
03回(1973年) タケデンバード
04回(1974年) ハイセイコー
05回(1975年) イットー
06回(1976年) フジノパーシア
07回(1977年) トウショウボーイ
08回(1978年) ヤマニンゴロー
09回(1979年) ネーハイジェット
第10回(1980年) リンドプルバン
第11回(1981年) ハギノトップレディ
第12回(1982年) カズシゲ
第13回(1983年) ハギノカムイオー
第14回(1984年) キョウエイレア
第15回(1985年) メジロモンスニー
第16回(1986年) ラグビーボール
第17回(1987年) ランドヒリュウ
第18回(1988年) オグリキャップ
第19回(1989年) メジロアルダン
第20回(1990年) バンブーメモリー

第21回(1991年) ダイタクヘリオス
第22回(1992年) ミスタースペイン
第23回(1993年) ロンシャンボーイ
第24回(1994年) ナイスネイチャ
第25回(1995年) マチカネタンホイザ
第26回(1996年) フラワーパーク
第27回(1997年) シンコウキング
第28回(1998年) シンコウフォレスト
第29回(1999年) マサラッキ
第30回(2000年) キングヘイロー

国際競走指定後:
第31回(2001年) 日本の旗 トロットスター
第32回(2002年) 日本の旗 ショウナンカンプ
第33回(2003年) 日本の旗 ビリーヴ
第34回(2004年) 日本の旗 サニングデール
第35回(2005年) 日本の旗 アドマイヤマックス
第36回(2006年) 日本の旗 オレハマッテルゼ

国際G1昇格後:
第37回(2007年) 日本の旗 スズカフェニックス

第38回(2008年) 日本の旗 ファイングレイン
第39回(2009年) 日本の旗 ローレルゲレイロ
第40回(2010年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第41回(2011年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第42回(2012年) 日本の旗 カレンチャン
第43回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第44回(2014年) 日本の旗 コパノリチャード
第45回(2015年) 香港の旗 エアロヴェロシティ
第46回(2016年) 日本の旗 ビッグアーサー
第47回(2017年) 日本の旗 セイウンコウセイ
第48回(2018年) 日本の旗 ファインニードル
第49回(2019年) 日本の旗 ミスターメロディ
第50回(2020年) 日本の旗 モズスーパーフレア
第51回(2021年) 日本の旗 ダノンスマッシュ
第52回(2022年) 日本の旗 ナランフレグ
第53回(2023年) 日本の旗 ファストフォース
第54回(2024年) 日本の旗 マッドクール

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