パール (アルバム)

パール
ジャニス・ジョプリンスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロサンゼルスサンセット・サウンド・レコーダーズ(1970年9月5日 - 10月3日)
ジャンル ブルースロック
レーベル コロムビア・レコード
プロデュース ポール・A・ロスチャイルド
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 1位(アメリカ[1]、オランダ[2]、ノルウェー[3]
  • 10位(日本[4]
  • 20位(イギリス[5]
  • ジャニス・ジョプリン アルバム 年表
    コズミック・ブルースを歌う
    1969年)
    パール
    (1971年)
    ジョプリン・イン・コンサート
    1972年
    ミュージックビデオ
    「Half Moon」 - YouTube
    「Buried Alive in the Blues」 - YouTube
    「My Baby」 - YouTube
    「Get It While You Can」 - YouTube
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    パール』(Pearl)は、アメリカの女性ロック・ヴォーカリストジャニス・ジョプリンのアルバム。本作が完成する前の1970年10月4日にジャニスが亡くなり、1971年1月に遺作として発表された。2003年に『ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」で122位にランク・インしており、後の改定では125位[6]となった。

    解説

    アルバム・タイトルは、ジャニスの愛称にちなんでいる。シングル「ミー・アンド・ボビー・マギー」、アルバム共に全米1位(『ビルボード』誌のチャート)を記録。特にアルバムの方は、9週連続で1位だった。ジャニスの新たなバック・バンドであるフル・ティルト・ブギー・バンドを従えて制作された。ピアノ奏者とオルガン奏者がいる、ツイン・キーボード体制ということもあって、ゴスペル色の濃い仕上がりとなった。プロデューサーは、長い間ドアーズを手掛けてきたポール・A・ロスチャイルド。

    1970年9月からレコーディングが開始されたが、翌10月4日にジャニスが薬物の過剰摂取で急死したことによって、一部の楽曲は未完成のまま収録された。死の当日にボーカルを録音する予定だった「生きながらブルースに葬られ」はインストゥルメンタルとして、「ベンツが欲しい」はアカペラの仮録音のまま収録されている。

    1999年に、ボーナス・トラック4曲(いずれもカナディアン・フェスティバル・エクスプレス・ツアーからのライヴ音源)を追加した、リマスターCDが発売された。

    収録曲概要

    • 「ジャニスの祈り」は、ジャニスが単独で書いた曲。ジャニスの代表曲として特に著名であり、後にスレイドやシンデレラ、松本孝弘GLIM SPANKYらがカヴァークリスタルキング田村直美坪倉唯子(B.B.クィーンズ)、平原綾香もライヴで取り上げた。
    • 「クライ・ベイビー」は、1971年春に本作からの第2弾シングルとなり、全米42位を記録。
    • 「ハーフ・ムーン」は、後に金子マリ&バックス・バニーがカヴァーした。
    • 「生きながらブルースに葬られ」はニック・グレイヴナイツの作。彼はジャニスの死後にボーカルを録ることを依頼されたが断ったため、イントゥルメンタルとして収録された。彼はその後、ジャニスのバックバンドBig Brother and the Holding Companyの1971年のアルバム『How Hard It Is』で自らこの曲を歌っている。
    • ミー・アンド・ボビー・マギー」は、作者の1人であるクリス・クリストファーソンのデビュー作にも収録された。ジャニスのヴァージョンが大ヒットしたのを受けて、クリスのアルバムも『ミー・アンド・ボビー・マギー』にタイトルを変更されている。
    • ベンツが欲しい」はレコーディング前に死去したため、仮録音がそのまま収録されている。バックはなく、ジャニス自身の靴音だけによるアカペラである。
    • 「トラスト・ミー」は、ソウル界の大物ボビー・ウーマックが、作詞・作曲・アコースティック・ギターを担当。
    • 「クライ・ベイビー」「マイ・ベイビー」はガーネット・ミムズのカヴァーで、「愛は生きているうちに」はハワード・テイトのカヴァー。いずれもジェリー・ラゴヴォイが作曲に関わっている。ジャニスは以前から、「心のカケラ」「トライ」といった、ジェリーが作った曲を取り上げていた。

    曲目

    Side 1
    1. ジャニスの祈り - Move Over (Janis Joplin)
    2. クライ・ベイビー - Cry Baby (Jerry Ragovoy, Sam Bell)
    3. 寂しく待つ私 - A Woman Left Lonely (Dan Penn, Spooner Oldham)
    4. ハーフ・ムーン - Half Moon (John Hall, Johanna Hall)
    5. 生きながらブルースに葬られ - Buried Alive In The Blues (Nick Gravenites)
    Side 2
    1. マイ・ベイビー - My Baby (J. Ragovoy, Mort Shuman)
    2. ミー・アンド・ボビー・マギー - Me And Bobby McGee (Kris Kristofferson, Fred Foster)
    3. ベンツが欲しい - Mercedes Benz (J. Joplin, Bob Neuwirth)
    4. トラスト・ミー - Trust Me (Bobby Womack, Michael MClure)
    5. 愛は生きているうちに - Get It While You Can (J. Ragovoy, M. Shuman)

    ボーナス・トラック(1999年リマスター盤)

    1. テル・ママ - Tell Mama
    2. リトル・ガール・ブルー - Little Girl Blue
    3. トライ - Try (Just A Little Bit Harder)
    4. クライ・ベイビー - Cry Baby
    4曲とも1970年7月4日、カルガリーでライヴ録音

    演奏メンバー

    • Janis Joplin - Vocals、Acoustic Guitar
    • John Till - Guitar
    • Richard Bell - Piano
    • Ken Pearson - Organ
    • Brad Campbell - Bass
    • Clark Pierson - Drums

    この6人を中心に、下記のメンバーが参加。

    • Sandra Crouch - Tambourine
    • Bobbie Hall - Conga、Bongos
    • Bobby Womack - Acoustic Guitar (on "Trust Me")
    • Vince Mitchell、Phil Badella、John Cooke - Chorus Voices

    脚注

    1. ^ Pearl - Janis Joplin, Janis Joplin & the Full Tilt Boogie Band : Awards : AllMusic
    2. ^ dutchcharts.nl - Janis Joplin - Pearl
    3. ^ norwegiancharts.com - Janis Joplin - Pearl
    4. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.166
    5. ^ ChartArchive - Janis Joplin
    6. ^ 500 Greatest Albums of All Time: Janis Joplin, 'Pearl' | Rolling Stone

    外部リンク

    • 花の絵 名盤再考 ジャニス・ジョプリン 『パール』
    • Pearl - Discogs (発売一覧)
    典拠管理データベース ウィキデータを編集
    • MusicBrainzリリース・グループ