バルバトス

曖昧さ回避 カリブ海の島国である「バルバドス」とは異なります。
地獄の辞典』に描かれたバルバトス
バルバトスのシジル

バルバトス (Barbatos) は、悪魔学における悪魔の1人。

概要

ゴエティア』によれば、30の軍団を率いる序列8番の公爵。『悪魔の偽王国』によれば、伯爵にして公爵である。

大奥義書』によれば、サタナキアの支配下にあるという。『ミュンヘン降霊術手引書』においては、バルバルス (Barbarus) という名前で紹介されており、36の軍団を率いる伯爵にして公爵であるという[1]

トランペットを持った4人の王を従え、狩人の姿で現れるとされる[2][3]コラン・ド・プランシーはバルバトスを「ロビン・フッドの変形」とみなしている[2]。太陽が人馬宮にあるときに、4人の高貴な王と彼らが率いる軍隊を伴って現れるともいう[4]

もとは力天使とも主天使ともいわれる[5]。魔術師の財宝の隠し場所を知っていたり、動物の言葉を理解できるなどの能力を有する。また、過去と未来をよく知り、友情を回復する力を持つともいう。

脚注

  1. ^ Forbidden Rites, p.165 および p.291
  2. ^ a b Pseudomonarchia Daemonum
  3. ^ コラン・ド・プランシー著 床鍋剛彦訳 『地獄の辞典』 講談社 1990年、p222「バルバトス」の項
  4. ^ Goetia
  5. ^ 『悪魔の偽王国』や『地獄の辞典』では、力天使または主天使とされる。『ミュンヘン降霊術手引書』、『悪魔の偽王国』のレジナルド・スコット(英語版)による英訳、および『ゴエティア』では力天使となっている。

参考文献

  • フレッド・ゲティングズ著 大瀧啓裕訳『悪魔の事典』p.317 青土社 1992年 ISBN 4-7917-5185-X
  • グスタフ・ディヴィッドスン著 吉永進一訳『天使事典』p.224 創元社 2004年 ISBN 4-422-20229-4
  • コラン・ド・プランシー著 床鍋剛彦訳『地獄の辞典講談社 1990年 ISBN 4-06-201297-9
  • Kieckhefer, Richard, Forbidden Rites: A Necromancer's Manual of the Fifteenth Century, Pennsylvania State University Press (1998), ISBN 978-0271017518
  • Mathers, S.L. MacGregor and Crowley, Aleister, The Lesser Key of Solomon(1904), The Internet Sacred Text Archive 内の文書(英文)
  • Waite, A.E., The Book of Ceremonial Magic(1913), The Internet Sacred Text Archive 内の文書(英文)
  • Weyer, Johann, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集・解題・注釈、ラテン語原文、レジナルド・スコットの英訳)
  • Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書(ジョゼフ・H・ピーターソン編集、英文)
ゴエティア』の悪魔
数字は『ゴエティア』での記載順。
(King)
君主(Prince)
公爵(Duke)
侯爵(Marquess)
伯爵(Earl)
騎士(Knight)
総裁(President)