ウラドの武者たちの酩酊

ウラドの武者たちの酩酊』(アイルランド語: Mesca Ulad)はアイルランドの物語であり、アルスター物語群に分類される。

写本

二つの版の、それぞれ断章が現存する。古アイルランド語で書かれたAと呼ばれる版は『赤牛の書』に後半部分のみが、中期アイルランド語で書かれたBという版の初出は『レンスターの書』であり前半部分のみが所収される。[1]

『レカンの黄書』や16世紀のスコットランドの写本にはこの二つの断章が一つに合わせて所収されている。

あらすじ

アルスター王コンホヴァルは二人の里子フィンタンとクー・フーリンに、1年の間アルスターの単独支配権を自らに預けるよう説得する。(二人は王からアルスターのそれぞれ1/3を割譲されていた。) 1年が過ぎて、二人は同じ日にコンホヴァルを祝おうとした。コンホヴァルは夜の前半はフィンタンに、後半はクーフーリンに会うことを決める。

王たちは戦車に乗ってフィンタンの城からクーフーリンの城へと移動したが、深夜の闇の中道に迷う。 誤って彼らは敵対する王クー・ロイの城へとたどり着くが、彼は表向きはコンホヴァルらを客として歓待した。 クーロイは宴会のために木の板を張り付けた鉄の館へと彼らを招き入れ、彼らが館に入ると鎖でカギをかけ、館に火をつけた。

ところがクーフーリンの助けによってアルスターの人々は鎖を断つことに成功し、館を脱出してクー・ロイの城テウィル・ルアハラ[注 1]を破壊するのだった。

外部リンク

  • Mesca Ulad - CODECS

脚注

  1. ^ コンホヴァルと同時代のマンスター王エオヒド・マク・ルフタ(Eochaid mac Luchta)の物とされることの多い城。このエオヒドはクー・ロイとマンスターを共同統治していたとする文献も残る。[2]

参考文献

  1. ^ Sims-Williams, Patrick "Irish Influence on Medieval Welsh Literature" p.272
  2. ^ MacKillop,James "A Dictionary of Celtic Mythology"
アルスター
アルスターからの亡命者
コナハト
  • 👑メイヴ
  • 👑アリル・マク・マーガハ(英語版)
  • アリル・フィン(英語版)
  • ケト・マク・マーガハ(英語版)
  • ネラ
  • フィンダヴィル(英語版)
  • フェル・ディアド
  • フリディシュ(英語版)
  • フロイヒ
  • マク・ケーフト(英語版)
マンスター
その他
  • ウアタハ
  • エオガン・マク・ドゥルタハト(英語版)
  • エメル
  • エルク・マク・カルブリ(英語版)
  • オイフェ
  • カルブレ・ニア=フェル(英語版)
  • コナレ・モール(英語版)
  • コンラ
  • スカアハ
  • フェデルム(英語版)
  • フォルガル・マナハ(英語版)
  • ブラートナド(英語版)
  • メス・ゲグラ(英語版)
神/超自然的人物
生物
  • ドン・クアルンゲ(英語版)フィンドヴェナハ(英語版)
  • リアト・マハとドゥヴ・サングレン(英語版)
武器
地名
物語
  • アイフェの一人息子の最期(英語版)
  • ウシュリウの息子たちの流浪(ドイツ語版)
  • 『ウラドの武者たちの酩酊』
  • エウェルへの求婚(英語版)
  • エーディンへの求婚(英語版)
  • クアルンゲの牛捕り
  • クーフリンの誕生(英語版)
  • クーフリンの病(英語版)
  • コンホヴァル・マク・ネサの話(英語版)
  • ダ・デルガの館の崩壊(英語版)
  • 二賢者の対話(英語版)
  • ブリクリウの饗宴(英語版)
  • フリディシュの牛捕り(英語版)
  • マク・ダトーの豚の話(英語版)