アポカロテナール

アポカロテナール

(2E,4E,6E,8E,10E,12E,14E,16E)-2,6,11,15-tetramethyl-17-(2,6,6-trimethyl-1-cyclohexenyl)heptadeca-2,4,6,8,10,12,14,16-octaenal

別称
trans-beta-apo-8'-carotenal
C.I. Food Orange 6
E number 160E
識別情報
CAS登録番号 1107-26-2 チェック
PubChem 5478003
ChemSpider 4585625 チェック
UNII V22N3E2U32 チェック
E番号 E160e (着色料)
ChEBI
  • CHEBI:53154 チェック
  • CC=1CCCC(C)(C)C=1/C=CC(\C)=C\C=C\C(\C)=C\C=C\C=C(/C)\C=C\C=C(/C)C=O
  • O=C\C(=C\C=C\C(=C\C=C\C=C(\C=C\C=C(\C=C\C1=C(\CCCC1(C)C)C)C)C)C)C
  • InChI=1S/C30H40O/c1-24(13-8-9-14-25(2)16-11-18-27(4)23-31)15-10-17-26(3)20-21-29-28(5)19-12-22-30(29,6)7/h8-11,13-18,20-21,23H,12,19,22H2,1-7H3/b9-8+,15-10+,16-11+,21-20+,24-13+,25-14+,26-17+,27-18+ チェック
    Key: DFMMVLFMMAQXHZ-DOKBYWHISA-N チェック
  • InChI=1S/C30H40O/c1-24(13-8-9-14-25(2)16-11-18-27(4)23-31)15-10-17-26(3)20-21-29-28(5)19-12-22-30(29,6)7/h8-11,13-18,20-21,23H,12,19,22H2,1-7H3/b9-8+,15-10+,16-11+,21-20+,24-13+,25-14+,26-17+,27-18+
  • Key: DFMMVLFMMAQXHZ-DOKBYWHISA-N
特性
化学式 C30H40O
モル質量 416.64 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アポカロテナール(Apocarotenal)は、ホウレンソウミカン属の果実で見られるカロテノイドである。他のカロテノイドと同様に、アポカロテナールもビタミンAの前駆体の役割を果たすが、プロビタミンA活性は、β-カロテンと比べて50%以下である。実験的な化学式は、C30H40Oである。

アポカロテナールは、橙色から橙赤色で、食品や医薬品、化粧品を着色するのに用いられる。製品の形態に応じ、油脂食品(マーガリン、ソース、ドレッシング)、飲料、乳製品、菓子等に用いられる。E番号はE160eで、アメリカ合衆国[1]、EU[2]、オーストラリア及びニュージーランド[3]では食品添加物としての利用が認められている。

発癌性

疫学研究により、β-カロテンを多く摂取し、血中β-カロテン濃度が高い人は肺癌になる確率が低いことが示された。しかし、β-カロテンの摂取量の多い喫煙者では、恐らく過剰なβ-カロテンの分解生成物が血中ビタミンA濃度を減らしてしまい、喫煙により誘導される肺細胞の増殖を悪化させるため、癌のリスクを高めることが明らかとなった。この挙動に関与するβ-カロテン分解生成物の主なものは、アポカロテナールであると考えられており、ある研究では、β-カロテン自体では反応を示さなかった細胞培地で、アポカロテナールは変異原性、遺伝毒性を示したことが報告されている[4]

出典

  1. ^ US FDA:“Colour Additive Status List”. 2011年10月27日閲覧。
  2. ^ UK Food Standards Agency: “Current EU approved additives and their E Numbers”. 2011年10月27日閲覧。
  3. ^ Australia New Zealand Food Standards Code“Standard 1.2.4 - Labelling of ingredients”. 2011年10月27日閲覧。
  4. ^ Alija AJ, Bresgen N, Sommerburg O, Siems W, Eckl PM (2004). “Cytotoxic and genotoxic effects of β-carotene breakdown products on primary rat hepatocytes”. Carcinogenesis 25 (5): 827–31. doi:10.1093/carcin/bgh056. PMID 14688018. http://carcin.oxfordjournals.org/cgi/content/full/25/5/827. 

外部リンク

  • Some info on apocarotenal
  • Olson A.J. (1964). “The biosynthesis and metabolism of carotenoids and retinol (vitamin A)”. J.of Lipid Research 5 (3): 281–298. http://www.jlr.org/cgi/reprint/5/3/281.pdf. 
カロテン (C40)
キサントフィル (C40)
アポカロテノイド (C<40)

アブシシン酸 · アポカロテナール · ビキシン · クロセチン · イオノン · ペリジニン

ビタミンA レチノイド (C20)